映画「死ぬまでにしたい10のこと」
23歳のアンは、母親の家の裏庭にあるトレーラーハウスで失業中の夫と幼い2人の娘と暮らし、時間に追われる忙しい毎日を送っていた。だがある日、彼女は突然腹痛に襲われて病院に運ばれる。そして検査の結果、医師から余命2ヵ月の宣告を受ける。若さのせいでガンの進行が早く、すでに全身に転移してしまっていた。アンはこのことを誰にも打ち明けないと決意し、ノートに死ぬまでにしたいことを書き出していった。それはちょうど10項目になった。そしてその日から、彼女はその秘密のリストを一つずつ実行していくのだった…。
my life without me1.娘たちに毎日「愛してる」と言う。 |
この映画を観ていて、数年前にガンで亡くなった友人を思い出した。彼女の生き方は、映画のアンとは違ってて、いつも生に向かって努力していたけれど、彼女の中にも10項目があったに違いないと思った。「後2−3ヶ月だって…」と、サラッと言ってのけた彼女。もし私が同じ宣告を受けたら…あの時から、何度も何度も考えたけれど、やはり彼女のように出来るかどうか自信がない。
「私が死ぬわけないじゃん。」と言って、あらゆる民間療法を試し、お金が掛かるんだよ〜と細かい金額を冗談のように話してくれた。病気が判ってからも、役員の仕事に走り回り、3人の子供の世話をやき、夕方車で買い物に出掛ける彼女を何度も見かけた。「だって、ホントに元気なんだよ〜」と、笑って答えるのだ。そうして宣告を受けて半年、このまま変わらない毎日が続くと思っていた頃、体調を崩し、抗ガン剤治療を試すことになった。「元気だから、出来るんだよ」と言っていたらしいが、かなり辛い治療だったらしく、それ以後、元気な顔を見ることはなかった。
死に向う状況に恐怖した私は、それ以後彼女に会っていない。彼女をこれ以上、自分の中に入れるのが怖かった。精神的に一緒に落ちていくような気がした。本当なら支えになるべきだったのに…逃げた私は、自分勝手な偽善者だったと、今でも後悔が付きまとう。
ガンという病気は、突然やって来て、中途半端な命の期限を告げる。事故や心臓疾患のように突然の別れは無いけれど、患者に辛い覚悟の時間を与えるのだ。でも反対に考えれば、別れの準備ができ、皆にサヨナラが言える残酷で親切な病気なのかもしれない。
この映画を一緒に観た友人が「私にとっての10のことは…」と考え込んだ。もちろん直ぐに思い付くはずがない、せっぱ詰まってないんだから…主人公のアンは、恋を楽しむ間もなく結婚出産を迎えたためか、10項目に主人以外との恋が入っている。たとえ事情がどうでも、死んだ後に浮気の事実がバレたら、親戚一同大顰蹙だよね〜と、友人と意見の一致!夫の場合でも然り、私も許せないだろうな…。それ以外の10項目は理解出来るね。子供に対しての感情は誰でも一緒かも。
私の10項目…いつか考える日が来るだろうけど、きっと、やっぱり、突然で、その時になってみなけりゃ何もわからない…アンのように生きるか、友人のように生きれるか。でも、もしかしたら10の項目は、死への準備というよりも、今を生きるための大切な10項目なのかも知れない。きっと、その中に入るのは、今やり残していることばかりだろうから…
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